人間が立ち入ることをまったく拒絶していた。
私は手に草刈り用の鎌を持ちその場にしゃがみ込むと
目の前のシノダケの根元に鎌をあて一気に引き込んだ。
切れなかった。
シノダケの強靱な外皮には草刈り用の小さな鎌など
通用しないのか。今度は少し上に引き上げるように力をいれた、
すると今度はまさしくスパッときれた。
が切り口は槍のようにとがりまちがえて踏んだら
靴を突き通し足を直撃しそうである。
しかし切るためにはこの方法が一番効率がよさそうなので
ナナメ切りの作業を続けた。
しばらくすると1坪ほどの槍先が林立する恐ろしい形相となった。
そしてその恐ろしい形相が2坪、3坪、4坪と広がるにつれもしここで転んだら
下手をすると死んでしまうだろうという恐怖にかられてしまう。
シノダケを切り進んでいるとやっかいなものに遭遇した。ノバラ(イバラ)である。
なにしろイタイのである。
しかし可憐な花が魅力的なので切らないでおこう。
次にイタイのはタラノキとサンショウだ。
でもこいつらも食用として有用なので切らず残してやった。
草刈り用の手鎌から両手で使える大鎌にしてから作業効率は大分よくなった。
2~3週末は草刈についやしどうにかキャンプが楽しめる程度の空間は出来た。
しかし問題は槍状になったシノダケの切り口である。
これではテントは張れない。しかたなく一本づつ剪定ハサミで根元から切っていった。
この作業は気が遠くなるほど根気がいる。
まずテントが張れる大きさをカットしそれから少しづつ作業を続けた。
同時に問題になったのが刈り取ったシノダケの処分である
あちらこちらにシノダケが積み上げられているので汚らしい。
しかたなく、焚き火をして燃そうとしたがあまり効率良く燃えてくれない。
そこで焼却炉を購入してみた。
価格4800円のその名も「モエロー」。
これが大正解!まるで何日間も物を食べていない若者のようにガンガンとシノダケを
食べ消化してしまう。
最近話題になっているダイオキシンもシノダケなら大丈夫であろう。
シノダケ刈りにも
産業革命
このパワーはすさまじかった。
2サイクルエンジン独特のオイルが焼ける匂いと
甲高い排気音が一面に響き渡りシノダケをなぎ倒していく。
切口槍状になることもなく根際からカットできるので 剪定バサミの手間はない。
作業効率は爆発的に向上した。
しかし、この草刈機は慣れないと切らなくていいものまでなぎ倒してしまう。
7年前に記念植樹したヤマボウシの幹を傷つけてしまったのだ。
自然治癒することを願ってそのままにしておいたのだが、
次に訪れた時には、傷の部分から折れてしまっていた。
しかたないので株立状に再生することを祈り、折れた部分を根元からきれいにカットした。
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